全てが虚しくなった。
全国旅行支援。
普段、特に旅行に興味があるわけでもないのに、そこにお得が潜んでいるとなると話は別。
必死になって行きたいところを探し、血眼になって泊まりたいホテルを検索した。
人の欲望はこうして作られる。
勢いで計画した旅行、とにかく損はしたくないので、予約ボタンを押す寸前で、最低限交通手段のリサーチをしてからにしようと。
普段の数倍の集中力でもってそれを終え、何度も逡巡したのち、再度予約ボタンを押そうとした。
そのとき、本当にそのリロードのタイミングだ。
クーポンが利用数上限に達した。
一瞬の差で、値段にして3000円ほど割増の料金になった。
その金額を見た時、その、タッチの差で3000円のお得を逃したという悔しさが生起した時、”悔しい”という感情を捉え、情動がそこに向かおうとした時、激しいうねりと同時に乾いた馬鹿馬鹿しさが込み上げてきているのも事実だった。
事の発端は、昨晩たまたま提案されたウェブ記事の情報。
そこから見事に、「せっかくなら得したい」という乞食根性を丸裸にされ、あれよあれよと予約画面までに至ったのだ。
そもそも、私は旅をしたかったのか?
本当にやりたいことはなにか?
つまり…何をして生きていたいのか?
そもそも…なぜ私は生きているのか?
という問いが現れ、私はそこに力なく仰臥した………
休日午前中の3時間を費やしある離島のアクセス、宿、観光になぜか多少詳しくなった自分がいた。