青くてごめんね

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【実録】夫が歯列矯正で8本同時抜歯をしました

筆者は床矯正→ワイヤー矯正を経て非抜歯のインビザライン矯正を行っているが、

夫がワイヤー矯正のために、親不知4本+小臼歯4本=合計8本を一気に抜歯した

矯正歯科の先生の話ではよくあることのような口ぶりだったそうだが、

このどこよりも広大で茫洋とした大海であるネット上でも、「抜歯 8本 同時」では数件しかヒットしなかったため、

抜歯〜回復までを記録として認める。なお、読みやすさを優先し途中まで一人称とさせていただく。

経緯

成人矯正(25歳・男)としてワイヤー矯正をはじめるにあたり、

抜歯が必要との診断が下された。

矯正歯科からの紹介状を携えて、総合病院の口腔外科へ。

結局8本抜かねばならぬのなら、時間効率的(そして恐らく口内環境が正常である時間としても)に同時抜きが最速であるため

一泊二日でぶち抜いてもらうことになった。

抜歯当日

当日朝はやや控えめの食事。

午前中に手術開始。静脈麻酔が施され、眠気を感じる前に意識がなくなっていた。

とはいえ、ストレッチャーで運び込まれるでもなく、普通の診察台で事は進んだ。総合病院の歯科治療の折、もしかすると隣で8本同時抜歯がなされているかもしれない。

 

昼過ぎごろ一度目が覚めるも覚醒とはならず。

夜になり、夕食が運ばれてきた。腫れは思ったよりも少なく、痛み止めがよく効いている。パンや麺類こそないが、「きざみ食」と称されたそれらはわりと普通の食事である。ほうれん草のおひたし、マッシュかぼちゃ。味噌汁にわかめ入ってるけどこれ嚥下するしかないよね。。。? そしてど根性★お粥300g。多い!でも完食するけど!!笑 食から荒療治していきましょう。

 

着替えセットを持っていったが、特に風呂の案内がなかったため単に着替えるにとどまった。シャワー浴びたい。

ちなみに病室は追加料金無しの相部屋としたが、タイミングに恵まれ4人部屋に患者は自分のみ。貸し切り状態だったものの、慣れないベッドは寝辛く、徐々に顔も重くなり、浅い眠りで凌いだ。

 

抜歯翌日

朝食も恒例のお粥300gを完食し、術後経過に異常なしのため予定通り退院。

===ここから書き手バトンタッチ===

生還した夫の顔は、それはもう、パンっっっっパンに膨れ上がっていた。印象としては倍くらい。もう誇張なしで。コロナでマスクがデフォルトなのが救いだ。マスクをとったら本当に別人かのようだ。頬に限界ギリギリまで餌を詰め込んだハムスターといい勝負だろう。正直元の顔に戻るのか不安に感じたほど。

容態

シャワーを浴び、横になる。とてもしんどそう。「顔が重くて、顎が疲れる」とのこと。横になっても、姿勢を起こしても重みがのしかかり、口が閉じれない。

手ぬぐいを顎から頭頂部にかけて巻き、重みを支えるようにしてみたり、枕にタオルを重ねてみたり。次第に、痛み止めが切れて痛みもかなりあるようだった。服用間隔を開けねばならず、次の薬を飲むまでの間が本当にしんどそうだった。36℃〜37℃前後の微熱もあり、そして患部(頬)も相当の熱を持っていた。水で濡らしたタオルが数分でぬるくなるほど。でも、ネット等で調べると「冷えピタで冷ますと血流が悪くなり、治癒が遅れる」ともあり、使えなかった。顔だけが熱いと、相対的に身体全体は寒く感じるようで、しきりに寒い、寒いと言っていた。頭寒足熱の真逆。うなされる夫の手をさすってあげることしかできなかった。

食事

「きざみ食」相当の食事をドラッグストアに買いに走った。とにかく柔らかいもの。栄養も補給できるもの。便利な時代だ、パウチ商品やゼリーを簡単に手に入れることができた。

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食べごたえを感じられるよう、チルドのシュウマイを刻んであげたりした。ゼリーはそのまま吸い込むと傷口のかさぶたが取れてしまう可能性があるようで、お皿に出してあげた。食欲はあったので、看病する側としてその点は安心できた。

 

※ちなみに、驚くべきことに病院から退院時にもらった書面では「活動・食事:制限なし」。ま、マジで???!!!??! 文字通り受け取れば、今日からフルマラソンしてもいいし、日本一硬いと言われる其角煎餅を食らってもいい。ワイルドだろぅ。、、、。

 

抜歯2〜3日後

容態は少しずつ、少しずつ落ち着いていった。だが、やはり痛み止めが切れる間のつらさは変わらずのようで、他のことで気を紛らわすことすら難しい様子だった。食事はお粥・ゼリー・プリンなど。プロテインで栄養補給もしていた。圧力鍋で徹底的に柔らかくした野菜スープなども食べられるようだった。

3日後、フルタイムの在宅勤務。微熱と痛みに苛まれながらも、オンライン会議等も通常どおりこなしたようだった。

誤解を恐れずに書くと、看病のとき、強烈な口臭を感じた…… 濃縮した生臭さ……

ネットには、治癒途中のかさぶた等が臭気を発し、口臭に繋がるとあった。おそらくそのとおりの事態だったのであろう。

 

抜歯4〜6日後

腫れはかなり引いてきた。やっと元の顔をリアルに思い出せるようになった。その代わりに(?)、なぜか右目のまぶた・左目の目頭付近を中心として内出血が発生。調べたところ、親不知抜歯の二次症状としてあり得ることらしい。右頬に軽い黄疸も見られた。思いもよらない症状、正直とても不安であった。

このあたりから、柔らかめの固形物もどんどん食べられるように。

ただ、最も気がかりだったのは痛み。処方された痛み止めを全て飲み終え、しかしやや強めの痛みが親不知周辺にあるようだった。市販の痛み止めで気を紛らわす。

度々ネットで調べるも、痛みのピークは抜歯後2〜3日とある。夫の場合、むしろこの段にきて痛みが増しているように見える。もしかして、何か炎症を起こしてる?かさぶたがうまくできなかった場合の、ドライソケット?

8本も同時に抜いたんだから、治るのにも時間がかかるわけで、体にも負担がかかってるんだから、(恐らく1〜2本抜歯の想定で書かれている)ネットの情報が合ってるってわけじゃない、、 と自分に言い聞かせた。でも、ネットには本当に怖い情報ばかり載っている。夫がかわいそうで、そもそも夫の矯正を望んだ自分自身の責任になるのでは、とも思い詰めた。

 

抜歯7日後:抜糸・経過観察

一週間がたち、抜糸および経過観察のため朝イチで病院へ。心配していたドライソケットにはなっておらず、むしろ経過は良好とのことだった。痛み止めを追加で処方してもらい、その足で出勤。

この処方薬、”3日飲むと7日効く!”という抗生物質の代物で、効果はやはりあったようだ。

食事は99%通常運転。白米も食べれば、コロッケも何のその。これは素直にすごいと思った。。笑 8本なくても一週間後には普通の食事ができる。

抜歯した穴に食べかすがたまるようで、病院でもらった注射器型の洗浄装置を使って清掃したりしていた。

なお、当日に入院代等の精算も行い、抜歯費用も含めると約6万円となった。

抜歯8日後〜

腫れ・痛みともに、時間を経るごとに自然と収まっていった。顔も元通りになり、親不知がなくなったことでむしろ前より小顔になった感じすらする笑

目元の内出血・頬の黄疸もいつの間にか治っていた。

 

おわりに

8本同時に抜くと、やはりネット上に載っていない思わぬ症状が起こったため、不安に感じることが多々あった。

20代男性という年代ゆえか、仕事への復帰は抜歯3日後(ただし在宅勤務であった)、外見・食事面等の通常運転への復帰は一週間で果たすことができた。

抜歯後の心身の負担は避けられないが、例えばこれを4本ずつにしたらこの倍の時間食事の制限があり、かつ通院回数も倍になるわけで、自由に動ける時間の少ない社会人として、総合的に考えると8本同時抜歯はかなり「アリ」な選択であると感じる。