空袋の追憶
一度に買い終えられなかった食料品を買いに、また職場での存在意義を少しでも生み出すために業務関連の参考書を探しに、駅へ繰り出した。
(大きな要因としては、非常識などこかの住民による騒音に耐えかねたからである)
実店舗の書店に足を運ぶのは何時ぶりだろうか。。3〜4ヶ月間が空いたかもしれない。
久々の書店は、逆に新鮮であった。ターゲティングされていない情報の一覧(ずらりと並ぶ表題、帯のキャッチコピー)。自身の趣向ではなく、一般的な分別に沿ってカテゴリ分けされた本は、普段使わない脳の部分を刺激される単語が載っている。
いかに普段、選り好みされたニュース、ウェブ記事、ブログ、動画、コメント、に目を通しているかよくわかった。
本題は、生理用品の話である。
なぜか、文字に残しておかなければならないと感じたため、したためる。
一ヶ月ほど前、30cmのナプキンを使い切った。
思い出すのは、3年と4年の間の2月だったか、
ある胡散臭いベンチャー企業の自己啓発もどき就活セミナー(曰く自身の志望企業を見定められる)である…
本当にこの日は就活で気が滅入っていて、いつも行商人がごとく大量の荷物を持っているが、ペンの1〜2本だけしか持たず、
寸前まで死のうと思っており、
講師の話を聞いている最中も半信半疑であった。 結果としては社会勉強として役に立ったのだが。(偉くなるには人の何倍も働いてなんぼ)
セミナー開始前のトイレで非常に嫌な予感がした。と、いうか半ばアウトであった。
赤焦げ茶の、ひと月の到来を告げる染み。。。
やばい。
全くそこまで思考が回っていなかった。いや、いつもなら無駄に万が一に備えて色々常備している。が、今日は丸腰である。
開始時刻までに買いに走ることは不可能だった。ひたすら膣を気持ち締め、平安時代の女性はお手洗いまで血を自力で堰き止めていたというし(ガセネタかもしれない)、
冷や汗をかいていた。そして休憩時間、
血走った目でトイレに駆け込むともうレッドカード。大変まずい状態。
一刻も早くナプキンを入手しなければ、血まみれになって早退することになる。近くに買える場所なんて、、なかった。。。。
陰キャラであっても、背に腹は代えられない。なんと、他の参加者に「ナプキンお持ちでないですか…?」と声をかけたのである。
2〜3人の女子学生たちはやんわりと首を横に振ったが、「あちらにコンビニがありましたよ」と筆者の知らない出口を指し教えてくれた。
ファミマかローソンだった。たった数ポイントのためにTポイントカードかPontaカードを差し出す癖はその後に及んでも徹底していた
コンビニで生理用品(しかも大きいサイズ)を買うなんて!なんて贅沢だろうか。
コンビニで売っているからか、大変スリムタイプで、しかも包装が繰り返し留められる仕様になっている。すごい。
九死に一生を得たのだった。
以後、せっかくの購入品は外出時のここぞという時に使用され、
先日最後の一枚が消費されたのであった。
ナプキンの空袋だけで、これらのことが走馬灯のように脳裏をよぎった。