青くてごめんね

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劇場版ポケモン感想 『キミにきめた!』(2017年)

(2017/8/1視聴 あまりの衝撃に一夜にして7800字を書き散らし白髪になりました(なってませんが) Evernoteにまとめてあったので、感想記事に便乗して掲載いたします。)
 
 
 
 
一言でいうなら…
「無神経な総集編」
 
 
 
この感想はアニポケ無印信仰の成人女がお届けします。
 
待望の劇場版が公開になりました。今回はなんと原点回帰の「キミに決めた」。伝説の始まり、原点にして頂点のあの無印第一話を彷彿とさせるキービジュアル!!!期待するしかありません。ポケモンはゲームですとハートゴールドソウルシルバー、アニメだとダイパあたりまでで記憶が途絶えている自分にとって、メガシンカだのサンアンドムーンだの無限に広がるポケモンワールドはあまりに広大すぎます。劇場版も声優を確認する程度で近年は静観するのみでした。ところが、アニポケ20周年の今年、ついにやってくれました。
サトシとピカチュウの出会いからどこまで描くのだろう?ホウオウを見るシーンはどう描かれるだろうか。カントー地方を総ざらいする感じかな。
私が想定していたのはリビルド、つまりエヴァ新劇のように、原作に忠実にビジュアル面を美しくし、新たな展開に繋げていく作品でした。
無印を知らない子どもたちにシゲルを拝んでもらえるぞ…タケシやカスミ…ロケット団の登場文句も変わらないだろうな…
ああ、あの頃の皆に会える。
私が幼いころ、毎週木曜夜7時、楽しみにしていたアニポケ。小学生で再度無印を全話見直したこともありました。サトシとピカチュウの物語は、子供のころの思い出とともにきらめきながら、胸の中に収められています。
きっと懐かしさで泣いてしまうな。久しぶりに会えるね。みんな。
 
ですが、、、
この期待はまんまと裏切られるのです
 
 
 
 
冒頭、スタジアムでの試合の映像から始まります。わ、原作通りだ!でもスタジアムの造形が近未来的。技術面での進化を早くも感じます。繰り出すポケモンこそ違えど、原作と重なって見えました。そして引きの映像、テレビを見ているサトシ。おおおお~~~~、茶色の瞳はやっぱり気になるけど、キャラデザは昔っぽい!声も若々しい…さすがだなあ…目覚まし時計を壊す下りもそのまま。ドードリオの鳴き声はなかったですが、大体流れは一緒ですね。慌ててオーキド研究所へ。いや、マサラタウンの描き込みハンパねぇ…
ここでまず、シゲルが出てきません。淡々とピカしか残っていない旨を説明するオーキド。オーキドの声も変わらないなぁ。というか研究所内の構造ってこうなってたのね。初めて見たかも。。ゼニガメをゲットした回想でシゲルのバックが。シゲルぅううううううううううううううううううう!!!!!!!!!こっち向いて!!!!!(※向かない)
いよいよピカとご対面です。やたらと追っかけまわして派手に階段から転倒するサトシ。モンスターボール拒絶のくだりはこのタイミングではなかった気がしますね。
ここで気になったのは、サトシのママが服を届けに来るシーン。鑑賞時は忘れてましたが、原作では研究所の外で乱雑に、持っていくものをサトシに手渡すんですよね、ママが。これもこれもこれも~~という感じで。ところが、所内に来たママは丁寧に畳んだ服と、きちんと詰められたリュックを差し出すんです。
これ、サトシがまだ親離れしていない印象を抱かせます。ママの助けを借りているというか。過保護な感じがしました。
 
いざ旅へ。紐で引っ張る手にゴム手袋をはめていません。
石を投げて怒ったオニスズメが標的をピカに定める演出はかっこよかったですね。
 
川に飛び込む前にキャップを後ろに回してほしい!!ここのサトシが男らしくてかっこいいのに!
崖もややマイルド。ギャラドスとすれ違うのは合ってました。
 
そして来ました名シーン。嵐の中オニスズメの大群と対峙するサトシ。「俺は世界一のポケモンマスターになるんだ!」「ピカチュウ、入れ!モンスターボールに!」
確か原作では敢えてコマ送りのようになってましたが、あくまでなめらかに、ピカが電撃を放ちました。
そして晴天が戻り、ホウオウが優雅に上空をすべってゆきます。
ここで、(というか今までもなのですが)ポケモン図鑑で確認して「データなし」となるのが、これからの未知なる世界への期待を掻き立てるのですが、今回はポケモン図鑑の登場はなし。代わりに、今後非常に大きなキーとなるホウオウの羽を手に入れます。
 
で、最初のポケモンセンター。
俯瞰のシーンでびっくり。
え、他地方のポケモンがたくさんいる????
 
今回のはカントージョウト地方での話だと思ってたので、ルカリオとかびっくりするう。あ、そういう設定ね。もう地方交流は進んでるのね…(ちょっと残念)
エンテイ出没を聞きつけて早速森へ。ここでマコトと出会います。マコトの声優は予想通り女優でしたが、声だけでは本人の顔が浮かばない程度でしたので及第点でしょう。
 
というか伝説系の登場早くない?
 
さっきホウオウ出たばかりよ。というかエンテイジョウト?え、ここは何地方?(混乱)
バトルするも圧倒的実力の前に為す術なし。ポッチャマの攻撃でイワークを触発し、イワークイベント発生です。向こう見ずにもイワークの前に立ちはだかり説得を試みるサトシ。えーー大丈夫なのと思ったら思いの外ハイスペック・ポッチャマうずしおでアシスト。なんかあっさり使うね。無事に追い払います。
エンテイは今回の主要キャラのファーストコンタクト作りの仕掛け人でした。ソウジ!頭脳系!横髪!前髪!黒スキニー!一目惚れしました。ハクに似てると思ったのは私だけでは無いはず。俳優も上手だね! すばらしい。  声優かと思ったくらい。ソウジの二次創作がわんさか描かれる未来が見えました。(ちなみに鑑賞中彼の名前が何度聞いても覚えられなかった。なぜでしょう笑)
 
このあとからストーリー展開曖昧なのですが極力頑張りますね。
 
 
しばらく旅して、雨ざらしヒトカゲを見つけます。「カゲ…トゥ」
鳴き声の違和感!!!!!!!!
元・ヒトカゲのトレーナーのクロスさん初登場。前髪の造形を把握するためまじまじと見てしまった。レベルファイブ臭がプンプンしますね。
「弱いやつは要らない」と、なんとヒトカゲリアルに足蹴にします。リアルすぎだよぅ!!ヒトカゲの臓物が歪む様を想像してしまうくらい。
「しっぽの炎が消えると死んでしまう!」とポケモンの死に言及するマコトさんと、ヒトカゲ救済のため雨を避けて洞窟に。そこに森の精のごとく構えるソウジたん!!!すぐに薬草を調合し、ヒトカゲに与えます。「カゲ…トゥ」
皆で焚き火を囲んでいると、エンテイが野生ポケモンを連れて住処の洞穴にお戻りになられました。伝説運ェ!やたらとエンテイさんと目が合いますねぇ。特に伏線ではなかったみたい?あ、伝説の勇者(?)であることを見定める瞳だったのか。
野生ポケモンがテチテチついてきて、一緒に丸くなって寝るのがかわいい。エンテイ様を前にしてポケモンたちの自然の摂理を把握する三人衆。大人や…話題はホウオウに。「そういや俺見たんだ!」と上着をさぐるサトシ。あっいよいよポケモン図鑑を出すのね!!と思ったら虹色の羽。肩透かしを食らう。
 
 
翌朝、カゲトゥも元気になりホウオウの情報収集へ?そしたら古代の記述にありました、ホウオウ伝説。羽の導きのままに旅を続けましょう。参照してた文献の絵がすごく中世チックで世界史の資料集を思い出しました。のっぺり感がイコンのそれです。
ここでクロスと相まみえるサトシ。進化したリザードガオガエンに完敗。背景きれいすぎて、リザードが攻撃で叩きつけられた壁の損傷に目が行ってしまいました。これ修理代結構かかるぞ…?
サトシは精神のねじ曲がったクロスに敗北を喫したことに納得いきません。宥め諭す2人。正論ゆえ言い返せず、サトシは憤怒に任せて駆け出してしまいます。後を追うピカチュウ
「最初のポケモンゼニガメフシギダネだったら…」
思わず口にしてしまったサトシ。ピカチュウはショックを受けます。サトシは失言とピカチュウの存在を振り払うように歩を進めますが、やはり背後が気になり振り返ると、そこにピカチュウの姿はありません。
一人で木にもたれかかるサトシ。木に落ちたサトシの影にはマーシャドーの姿が。マーシャドーに操られるまま夢の世界へ。
そう
この世界が、大大大大大大大大大問題なんです
 
 
大問題なんです!!!!!!!!!!!!!
 
 
10歳を迎える夜のサトシ。ですが、部屋のポスターにはポケモンの代わりに車が描かれています。嫌な予感。
遅刻して向かった先は…何かの建物…
「オーキド先生!」
「四人遅刻してきたが、君が最後の一人じゃ」
朝のHR前でしょうか、「宿題忘れた!」とサトシ。授業中窓の外を見ていると、ホウオウの姿が…?いえいえ。そんなはずありません。飛行機でした。
 
そう、この世界は、ポケモンのいない世界なのです。
 
学校の屋上で黄昏れる三人。網格子(?)越しの風景を見つめながら、海と山と森の先に思いを膨らませます。「自分で行ってみなくちゃわからない!」それでこそサトシだ!
 
 
じゃなくて!!!
ポケモン世界に現実世界を持ち込んじゃだめでしょ!!!!!!!!!!!!!!!!!
絶対駄目でしょ!!!!!ポケモンだよ、ポケモン映画なんだよこれは!!なのに学校?ポケモンがいない???
パラレルワールドだとしても、もう説明ができなくなっちゃうじゃん、ポケモンがいる/いないっていう世界が想定されてる時点で、もうポケモン世界の異質さみたいなものを感じ取らないわけにいかないでしょ??!!
サトシが見ている悪夢、だからサトシはポケモンのいない世界を知っている、と最悪の事態を考えてましたがこれはあくまでマーシャドーが見せてるからそうじゃないんだよね。マーシャドー怖いね。こわいこわい。そう、サトシは「ポケモンがいる世界」の住人だもんn,,,,,
ああああぁぁぁぁん
 
ポケモンはある種ファンタジーで、そうした空想世界で犯してはいけない禁忌が、「この世界は空想世界である」と認知させることだと思うのですが、その禁忌に手を伸ばしてしまったのです。パンドラの匣を開けてしまったわけです。
それは…だめでしょう…だめだよう…(泣)
 
古参のポケモンファンに強烈な揺さぶりをかけながらも、お話は続きます。ポケモンがいない世界でピカの幻影を見、夢中に追いかけるサトシ。
「ずっと一緒に、こうやって走ってきたのに…大切な君の名前が…思い出せないんだ…!」
 
「君の名は…!」
 
(―♪君の前前前世から僕はー君を探し始めたy(ry
 
 
ちがーーーーーう!!!
n番煎じかと思ったけどちがうよ!!!ピカチュウを追いかけるサトシね!!!
無事にピカを抱きかかえると同時に夢から覚め、謝罪します。2人とも合流し、丸く収まりました。
 
でまあ、旅は進んでいきます。
途中マコトが深夜、スイクンを目にするシーン。その手に持ってるデバイスは何だ??明らかにスマホだ???!
いや~~~それも駄目でしょう(´;ω;`)昨今のアニポケがどうなってるかは知らないけど、テクノロジーの発展を意識させるような電子機器はやめてほしぃ…。もう森の中でもバリ3とかなのかと思うとほろ苦いよ…
あともう一点、サトシがポケモンを大切にする理由や旅をする目的を聞かれた時「ポケモンと友達になりたいからさ!」という旨の発言を繰り返していたのが気になりました。間違いではないんですがアニポケサトシは少なくとも「友達」を連呼してはいなかった気が。
 
ホウオウのいる山に近付き、バタフリーとのお別れイベント。バタフリーの声優が西村ちなみさんで安堵。バタフリーの意思を尊重し、とうとうお別れ。ばいばい、バタフリー
…さっきから非常に、気になっていたんですが
サトシがワンワン泣きすぎやろ!!!!
こんな大粒の涙を恥ずかしげもなく流すサトシはちがう!!
そもそもサトシが泣くシーンって珍しいんですよ。目が潤んだりしても泣きはしなかったり。
サトシが泣く時の作画はこうでした。キャップを深くかぶり、ツバで目元を隠す。嗚咽した彼の頬には、一筋の光それはまさしく男泣きで、常に元気なサトシが稀に見せる姿に、グッときたものです。
ところが!!!!今作では既に数回泣いてます。しかもバッチリ正面顔!
いやーーーキッズ達の永遠の主人公たるサトシがそんなナヨナヨしててどうするのぉ
 
 
そしてこの後更なる衝撃が待ち受けているのです
 
 
いよいよ山の山頂付近に到着し、ホウオウを召喚すべく水晶に羽をあてがうところで一悶着。ロケット団に勝る先回り力でクロスさんが羽を奪い取ろうとし、てんやわんやで羽や水晶が悪の心に染め上げられてしまいます。マーシャドー出現、野生ポケモンを操りやりたい放題。
先に言いたいのですが、ホウオウ降臨に際しマーシャドーが一枚噛んでしまうと、もうホウオウはマーシャドー抜きでは語れなくなってしまいませんか?マーシャドーが羽を手にするとホウオウが遠ざかってしまうなら、これすなわち、ホウオウ≦マーシャドーということになりかねませんか?ライコウエンテイスイクンセーブポイントの如く登場することと言い、伝説系ポケモンの地位は下落の一途を辿っていますね?…、く、悔しいですッ(©ザブングル
マーたんの大暴れで、野生ポケモンの怒りは頂点に。ピカも満身創痍、戦うことができません。サトシはピカの嫌いなモンスターボールを差し出します。「これに入ればお前は助かるかもしれない」(←細かいですが「かもしれない」ってサトシにしては弱気ですよね、あ、でもそうか、サトシは「ポケモンのいない世界」も知ってるものね、そりゃ戦局を読んで冷静に物事を判断できるわよ(ry))
ピカと野生ポケモンの間に両手を広げ立つサトシ。 「俺は世界一のポケモンマスターになるんだ!」「ピカチュウ、入れ!モンスターボールに!」
デ★ジ★ャ★ヴ
め、名シーンもこう乱発(二回目ですが)されると有り難みが薄れるのが否めない!またか!
で、ピカが渾身の一撃を…と思ったら、動くことができません。追い打ちの攻撃を受けます。ボロボロのサトシとピカ。「なんで?!なんで入らないんだ??!」
 
皆さん
 
ここで衝撃のシーンが訪れます
 
 
心臓の弱い方は閲覧をお控えください(え)
 
 
 
 
朦朧とした意識の中、サトシはピカの返事を聞くのです
(ぴ、ぴかぴ、)
「い、いっしょに、いたい、から」
 
 
 
 
 
―――
 
しゃ
しゃべ
しゃべっt
しゃべったあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああくぁwせdrftgyふじこlp
 
 
ぴぴぴぴぴかちゅうピカチュウが!!!!!人間の言葉を!!!!しゃべった!!!
まっておちついて、落ち着いて、ぴ、サトシとピカチュウは2人で一人の一心同体、阿吽の呼吸、お互いが何を思ってるかなんて以心伝心ツーといえばカー。サトシは意識混濁状態だし、ピカチュウの声が脳内変換されて意味を持った状態で受け取っただけよね、けっしてピカチュウがに、日本語を話したわけじゃないのよねそうサトシの目線を追体験してるだけ、だけ、、、だけ、、、、
 
 
で、も、そうだとしても、
喋るのは…ちがうと思うの…(泣)
ピカの口から育江ボイスで、日本語を話しちゃ、、、何かがね、崩してはいけない何かがね、一気に崩れ落ちてしまうと思うの
だってポケモンだもの
 
天変地異のピカ発言も虚しく、サトシは攻撃をモロに受けてしまいます。いつの間にかボールに入ってたピカが外に出ると、天に召される真っ最中のサトシの姿。キャップにしがみつき涙を流します。(そういえば、ピカがサトシに頬ずりする時、主線もちゃんと毛並みの柔らかさを表現してて細かいと思った)
サトシはモノクロの世界で自分の素となるキラキラ成分を集めて無事に復活するのですが、ここ、ホウオウの力を借りるのが自然じゃないですかね。ホウオウが間一髪でサトシを救い、山頂でホウオウとサトシが対面する…という場面かとてっきり思いました。モノクロ世界が、虹色に輝くホウオウを目にした瞬間色を取り戻す、みたいなね。そうではなく、ミュウツーの逆襲の、ポケモンの涙de石化サトシ復帰のオマージュとも取れるキラキラ集め戦法でした。
そして復活サトシと、ホウオウの魔法の粉で傷が回復したピカチュウ。やっと降臨したホウオウと、尋常に勝負なのであります!
ホウオウ強かった。10万ボルトどーん。こうかはいまひとつのようだ。ホウオウの何か強そうなビーム。ピカチュウはたおれた。
あっさり戦闘修了。ポケモンセンターへgo。
「まあひどい傷ー誰と殺り合ったの?」
「ホウオウです!!!」
「そっかそっか~~。って、えええ!」
「ホウオウです!!!!」
ちゃんちゃん♪
 
 
ホウオウの扱いーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
軽スギィ!!!今までこの話ホウオウを軸に回ってきたよねぇそれにしてはあっけなさスギィ!!!
 
もうやめて無印大好き女のHPはゼロよ
 
 
三人はそれぞれの道へ。いつもの分かりやすい分岐路。
 
 
 
エンディング。このエンディングが唯一の救いでした。
トゲトゲ頭のシルエット。アッもしやシゲルさま―!と思ったら!!!タケシ!!!!!
タケシィいいいいい
あっ次は…カスミ!!!衣装が再登場バージョンだったのだけ残念!
あっこのスケッチしてるのはまさか…ケンジだぁああオレンジ諸島編も拾ってくれるんだぁああ
ハルカ!マサト!ヒカリ!………
歴代主役クラスの面々に敬意を払った素晴らしいエンデイングでした。こちらを振り返る皆がなんとも言えず不思議な表情を浮かべてるのも、リアルに目が合ったみたいで面白かった。タケシとケンジは笑顔だった気がするけど。
 
はい、以上で
―終演―
 
 
 
 
今回の作品は、色々な意味で、無印時代に築いてきた設定やストーリーを根底から揺るがす、超問題作でした。
アニポケの記憶を侵してくるような。
そもそも、サトシの旅立ちを改めて描くことで、パラレルワールドをしっかり提示していますよね。
じゃあ無印は?どっちが本編なのか?
今まで見てきた物語は無数にある可能性の一つに過ぎないのか?
加えて、ポケモン世界のタブーを犯しています。先述の、「ポケモンのいない世界」だけでなく、「ポケモンの死」についての描写です。
ソウジのレントラーの一件、レントラーは凍死しています。回復すれば復活する「ひんし」ではなく本当の「死」です。
瀕死の先をここまで直接的に描いたのは間違いなく、今作が初でしょう。今後の話の中で「ポケモンの死」が更にセンシティブになること請け合いです。
 
 
 
私は、無印や今からかなり前の物語を知らない世代が今作を見て、「今までのポケモンはこういうストーリーだったのか」と早合点してしまうことが何より恐ろしいです。
早まるな、断じて違う。
カントー・オレンジ諸島・ジョウトホウエン…色んな地方を回って、たくさんの仲間と出会って、サトシとピカチュウは少しずつ強くなってきたのです。
ポケモンの進化がどれだけ嬉しいことか。 伝説ポケモンと出会うのにどれだけの時間がかかるか。
やっぱり旅する彼らと相応の時間を過ごさないと、実感として掴むことができません。
ですから、決して今作だけを見て判断しないでください。今までのストーリーを。
みんな、無印を見よう。本当の原点に帰ろう。
 
感想は以上です。お付き合いくださりありがとうございました。